シリコンバレー銀行破綻からもたらす影響と要因を徹底解説
40年の歴史をもつ地銀のシリコンバレー銀行（SVB）の破綻が先週の米国株式市場で広く注目されています。
今回は、シリコンバレー銀行の破綻事件を解説し、その背景と要因、又は金融市場などへの影響を紹介していきます。
| 目次 |
| 1.シリコンバレー銀行、2008年の金融危機から最大破綻規模
2.シリコンバレー銀行とは 3.シリコンバレー銀行の破綻原因と背景 3-1.債券ポートフォリオの平均利回りが低い 3-2.ベンチャー企業による資金調達コスト上昇 3-3.顧客から大量預金解約による破綻事件 3-4.シリコンバレー銀行の株価が６割急落 4.シリコンバレー銀行の破綻からもたらす影響 4-1.金融市場への影響 4-2.ハイテク労働者の給料支払いへの懸念 4-3.米利上げを慎重に検討 5.シリコンバレー銀行破綻事件まとめ 6.関連記事 |
シリコンバレー銀行、2008年の金融危機から最大破綻規模
カリフォルニア州のシリコンバレーにあるシリコンバレー銀行（SVB）は2,090億ドル（約28.2兆円）と、2008年の金融危機来最大の銀行破綻の規模となっています。
米国では、4,700を超える銀行があり、銀行の破綻はそれほど珍しいことではないですが、今回シリコンバレー銀行（SVB）の破綻規模は米国の歴史において2番目となり、その大きさは言うまでもないでしょう。
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シリコンバレー銀行とは
シリコンバレー銀行とは、クノロジーやヘルスケア業界に特化した預金残高16位の地銀です。
スタートアップ企業の発展を支援していて、2022年にベンチャーキャピタルが支援し上場した米国のハイテク企業とへルスケア企業の約半数が同社の顧客です。
また2,500を超えるベンチャーキャピタル企業も顧客となっています。
そんなシリコンバレー銀行が破綻してしまうって、想像もできなくなりました。
シリコンバレー銀行の破綻原因と背景
では、なぜシリコンバレー銀行が急に破綻まで至ったのか、その原因や背景を見ていきましょう。
1.債券ポートフォリオの平均利回りが低い
シリコンバレー銀行は必要最低限の現金を持ち、残り大量的な預金を財務省証券やモーゲージバック証券などの長期債に投資しています。
しかし、2022年米10年債利上げが3.9％レベルまで行われました。
シリコンバレー銀行の債券ポートフォリオの平均利回りは1.79％と米10年債利回りよりも低下しています。
2.ベンチャー企業による資金調達コスト上昇
米利上げが行われることで、ベンチャー企業による資金調達コストが急速に上昇しています。
市場の環境の悪化によりIPOでの資金調達もできず、金利の上昇で調達コストが上昇したことで、シリコンバレー銀行などのベンチャー企業にとっては資金調達がより難しくなっています。
3.顧客から大量預金解約による破綻事件
シリコンバレー銀行の顧客としたベンチャー企業は、資金調達できなくなることで、シリコンバレー銀行との預金の解約を行いました。
これを受け、シリコンバレー銀行は3月8日に保有する債券ポートフォリオを売却するしかできなくなりました。
売却した債券ポートフォリオは18億ドル（約2,430億円）損失しました。
シリコンバレー銀行は3月8日、22.5億ドル（約3,037億円）の普通株と優先株の公募増資を行うと発表しました。
しかし、メディア報道などによって、この後市場からの懸念が広くなり、より多くの解約届けができ、事態が急激に悪化しました。
4.シリコンバレー銀行の株価が６割急落
投資家の不安を取り除くため、シリコンバレー銀行のCEOであるグレッグ・ベッカー氏は3月9日、午後に行われた投資家向けのコンファレスコールで同行の現状を説明しました。
しかし、良い結果は出てこなかったのです。
シリコンバレー銀行の株価は9日、６割まで急落し、これで公募増資などの対策も無駄になります。
一方、解約を行う顧客が増えていて、同日の営業日の終わりまでに420億ドル（約5.７兆円）の預金の解約を行いました。同にt午後ネットでの送金もできなくなり、現金残高は9.58億ドル（約1,300億円）の負債超過となりました。
この大きさ地銀があっという間に破綻に至ったことになりました。
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シリコンバレー銀行の破綻からもたらす影響
続いて、シリコンバレー銀行の破綻からもたらす影響を見ていきましょう。
1.金融市場への影響
シリコンバレー銀行の破綻による、米国株式市場全体が下落しました。
銀行セクター全体が3月9日に急落し、JPモルガン（JPM）, ウエルズ・ファーゴ（WFC）、シティグループ（C）のようなマネーセンターバンク株などの銀行関連株は押し下げることになりました。
2.ハイテク労働者の給料支払いへの懸念
シリコンバレー銀行はスタートアップ企業の主な支援者となっているため、今回破綻したことで、スタートアップ企業にとって巨大な損失となることが言うまでもないです。
また、ハイテク労働者の給料支払いが難しくなることにならないかと懸念されています。
3.米利上げを慎重に検討
今回シリコンバレー銀行は破綻した要因として、米長期利上げがその中の一つだと言われています。
引き続き利上げが必要とされていますが、その上げ幅と上げペースは慎重に検討する必要があると考えています。
シリコンバレー銀行破綻事件まとめ
今回はシリコンバレー銀行の破綻事件を解説し、その背景と要因、又は金融市場などへの影響を紹介しました。
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